漬物の定義とお新香との違い

漬物盛り合わせのイメージ画像漬物とは?今更訊けない基礎知識
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漬物といった場合、漬け込むことで作られる食品全般なのか?お新香は漬物のイチカテゴリーなのか?本当に基本中の基本となる漬物の定義について調べてみました。

漬物とは

コトバンクで「漬物」を検索してみた結果から、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典と百科事典マイペディアの解説を引用してみましょう。

食品貯蔵法の一種。主として野菜類の貯蔵を目的として寒い地域に発達している。塩,米糠,酢,味噌,酒粕,醤油などに漬けるもので,その種類はきわめて多い。特に塩漬は,乾燥法とともに人類発生以来の食品貯蔵法の一つである。野菜類ばかりでなく,魚介類,果実類を漬けたものもいう。日本各地には有名な漬物が豊富であるが,世界の諸国にもキムチ (韓国) ,ザウアークラウト (ドイツ) ,ピクルスなど有名なものがある。

引用元:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典(コトバンク)

野菜類,果実,鳥獣魚肉等を塩,みそ,麹(こうじ),酒かす,酢,その他に漬けた加工食品。古くから飢饉(ききん)に対する備蓄,多収穫時の防腐貯蔵,風味の良化などの要求で発達した。種類は多様だが,いずれも原料内部の細胞膜を通して細胞組織の水分を浸出させ,塩を主とする漬汁を組織内に浸入置換させて,風味や貯蔵性を付与する。日本の漬物の歴史も古く,《延喜式》にはすでに数種の名がみられる。現在行われているのは,塩漬,糠(ぬか)漬,味噌漬,酒かす漬,麹漬など。塩漬は最も基礎的・原始的なもので,柴漬,酢茎(すぐき),梅干しもこれに属する。糠漬は糠味噌漬とも呼ばれ,広く家庭でも行われるが,沢庵(たくあん)漬はその代表。味噌漬は中世特に禅林において賞美され,香の物の名を生んだ。獣肉,魚肉を材料とするものも各地で行われている。酒かす漬は酒造地に多く,奈良漬,ワサビ漬,松浦漬がこれに属し,麹漬には千枚漬,べったら漬,三五八(さごはち)漬などがある。その他,酢漬,みりん漬,芥子(からし)漬,調味漬(福神漬など)があり,菓子として用いられる果実などの砂糖漬もある。外国にもそれぞれ特色ある漬物があり,ピクルス,ザウアークラウト,ザーサイ,キムチなどが有名。

引用元:株式会社平凡社百科事典 マイペディア(コトバンク)

これらに目を通してみると納得!
素材は獣肉や魚肉でも、まあ何でも漬け込んだ加工食品は漬物ということですね。フルーツの砂糖漬けも含まれるのは盲点でした。

お新香とは

漬物の解説の中で気になったのがマイペディアにある「味噌漬は中世特に禅林において賞美され,香の物の名を生んだ。」という記述。

ということで、コトバンクで「新香」を検索してみた結果も引用してみます。

《「しんかう」の音変化》新しい香の物。新漬け。また、一般に、漬け物。こうこう。こうこ。おしんこ。

引用元:小学館 デジタル大辞泉(コトバンク)

《〔「しんこう」の転〕
新しい漬物。漬物。おしんこ。こうこう。

引用元:三省堂 大辞林 第三版(コトバンク)

なるほど、いわゆる浅漬けこそ本来のお新香なんでしょうか。
ちなみに、世界大百科事典は「新香」自体の解説ではなく、「新香」について言及している項目として【漬物】の解説が表示されていました。

念のため、漬物と新香の違いについて調べてみた

Googleで「漬物と新香の違い」というワードで検索したところ、全日本漬物協同組合連合会が運営する漬物ポータルサイトに行き着きました。
「漬物の製造法」というページの中に「野菜の風味が主体となる漬物群(新漬)」という分類があり、その解説文を以下に引用します。

調味浅漬・菜漬が主体になります。野菜を塩漬にしたのち簡単に調味した漬物です。つい最近までは主婦が漬けていた白菜漬や胡瓜浅漬などお新香と呼ばれる一群の漬物で最近の低塩化で家庭で漬けにくくなっていて漬物工場でつくられることが多くなったものも含まれます。

引用元:全日本漬物協同組合連合会 漬物ポータルサイト

ということで、「お新香盛り合わせ」というメニューなら野菜の浅漬けが並んでいるもの。
一方、「漬物盛り合わせ」だとお新香も含まれるわけですが、どうせならお新香だけじゃない盛り合わせにしてくれると、漬物好きとしては嬉しいですね。

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