日本国内の漬物のバリエーションを知るために、分類方法や種類分けの基準などを調べてみました。様々な「○○漬」はもちろんのこと、副材料や風味による違いなども紹介していきます。
何で漬けるか、副材料別にまとめた漬物の種類
漬物の素のメーカーである厚生産業株式会社が運営する「つけもの大学」というサイトで、副材料別にまとめた漬物の種類分けを見つけました。それを参考に、まずは8つの漬け方別種類について説明します。
- 塩漬:野菜では白菜やキュウリ、ナスなど漬物のもっともベーシックな方法。梅干しも塩漬に含まれます。また、魚介類なら塩辛、肉類も塩漬はポピュラーなものです。
- 糠漬:米糠が副材料で、その糠床に漬けたもの。糠味噌漬ともいいます。定番野菜だけでなく、チーズや豆腐、ゆでたまごなどもイケます。タクアンは米糠と塩で漬け込むので糠漬の一種といえますが、糠味噌漬とは区別されています。
- 粕漬:副材料は酒粕もしくは味醂粕。野菜だとわさび漬けや奈良漬も含まれますし、京粕漬などは魚の漬物の代表格といえます。
- 酢漬:らっきょうは酢漬の定番モノですが、塩漬と砂糖を加えた甘酢漬と対比的味わいが楽しめるのがポイント。コハダやサバなど光り物と呼ばれる魚も酢漬は認知度の高い調理方法です。
- 麹漬:副材料は米麹。大根のべったら漬けがもっともメジャーな麹漬ですが、近年浸透している塩麹漬も麹漬のバリエーションで、魚類や肉類含めて応用範囲は広く、長期保存には適さないのも特徴です。
- 味噌漬:味噌の中でも漬物の副材料としてよく使われるのは赤味噌。野菜だとキュウリや大根などがありますし、西京味噌に漬けた魚や肉も知られるところ。チーズや卵黄などの味噌漬も珍味として重宝します。
- 醤油漬:福神漬も醤油漬の一種で、キュウリや大根、ゴボウやニンニクなどもお馴染み。醤油漬といえば、野菜よりむしろイクラの方がメジャーかも。
- 辛子漬:代名詞といえるのがナスの辛子漬。他にもキュウリや長芋、イクラや鮭の切り身などの辛子漬もあります。
風味による漬物の種類分けもある
全日本漬物協同組合連合会という団体が運営する漬物ポータルサイト内に「漬物の種類」というPDFがあります。ここでの種類分けは風味を基準としたものです。
野菜風味主体の漬物
一般には浅漬、漬物業界では新漬と呼ぶそうですが、お新香のように野菜そのものの風味や食感をメインといたもの。梅干しや梅漬もこのカテゴリーに含まれます。
野菜風味に発酵味の加った漬物
野菜風味主体に比べると発酵物の風味もしっかり合って、両方の味わいが楽しめる漬物。タクアンやしば漬、糠味噌漬などが含まれます。
調味料の味の主体の漬物
本来は漬物の副材料である調味料の方の風味を強めに出すタイプ。らっきょうの漬物やガリ(甘酢生姜)、わさび漬や辛子漬など調味漬として味が濃いめな漬物がグルーピングされています。
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